こんにちは、船井総研の犬塚です。
学習塾業界、保育業界、幼稚園業界などの、教育保育領域で注目されている事業が
「小学生向けの保育」である
「民間学童・学童保育」
「放課後児童クラブ」
です。
少子化が急加速する中で、数少ない「成長」市場ですから、
この「学童市場」に注目する法人も増えています。
実際に、各業界の中堅大手企業は軒並み学童保育を開設していますし、
これだけ0~5歳向けの保育利用者が増え、共働き世帯が増加する時代の中では、
「そりゃ学童保育市場は成長するよね」
というのは当然の流れになります。
実際に船井総研においても、近年、学童保育の新規開業、新規開設のコンサルティングを多数しております。
この小学生向けの預かり・保育をビジネス化、事業化する中では色々な考え方があり、
まず保育園のように「自治体からの補助を受ける」ことを前提として考えると、
ほとんどの場合「公設民営の学童・放課後児童クラブ」を運営するパターンになります。
要するに「民設・民営の学童」に助成金や補助金が出る自治体は数少なく、
また事業を十分に回せるほどの金額が出てこないのです。
また公設民営の学童・放課後児童クラブの場合、
基本的な方針は「福祉であり、地域の子ども達のための公的サービス」ですので、
料金は低単価であり、内部で営利目的の+αをすることも難しいのが実態です。
結果、この放課後児童クラブの受託運営などは、社会福祉法人がやることが主流です。
結果、上述したように「民設民営」で学童保育を運営しようとするのが、
一般的な教育業界(主に学習塾やフィットネスなど)の企業になるわけです。
しかし、保育園と異なり、助成金がほとんどない中で、
子ども達を長時間「預かる」ことを考えると、
家賃や人件費のコスト負担が異常に重く、
結果的に週5預かりで月謝が5万円以上になることがほとんどで、
実態として「高級学童」のような扱いになってしまいます。
つまり目的としては「共働きの世帯のサポート」が目的なのですが、
価格帯は結構な負担を各家庭に要求する…ということになってしまうのです。
さらに学習塾企業としては、
「見込客集め」としての機能も期待されるのですが、
通常の「週5」預りの学童保育を運営してしまうと、
どうしても「預かれる人数」の上限が低く設定されてしまい、
多くの場合、「1学年あたり20名程度」が上限になるので、
見込み客集めとしても機能が限定的というのがネックになります。
このように間違いなく「成長市場」である、
小学生低学年向けの保育ですが、
国からの補助がない分、「事業性・安定性」で考えると難易度が高いモデルになっています。
上記を踏まえた上で、
「週1~2回利用を重視する」(脱保育・教育重視パターン)
「バス利用などで商圏を拡大する」
「習い事などのオプション講座を販売する」
など、福祉よりなのか、教育よりなのか、
また、商圏を小さくするか、広めにとるかなど、
各社の目的や戦略に合わせて、ビジネスモデル選定をしていなければいけません。
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