学習塾や英会話教室が、DX・デジタルシフトを進めていく中で、
システムや教材を提供してもらう「ベンダー(販売主・業者)」の見極めは非常に重要です。
しかし、スクール・学習塾業界においては、こうした業者取引に慣れておらず、
誤った業者と契約して後で痛い目を見るケースが多いのが実態です。
…ここでいう「痛い目」の多くは、契約後1年~数年後に明らかになる、
「契約縛り」や「保守メンテナンス」の問題ですね。
そのため本記事ではベンダー選びのポイントについてお伝えしたいと思います。
まずベンダー選びにおけるよくある間違いは、
「見た目の品質や価格」を基準にしてシステムや教材を選ぶことです。
システムや教材の特性上、「その後の更新や保守、メンテナンス」が絶対に必要になるため、
ただ現状のモノが良い・安いだけで選択してはいけないのです。
特にエンドユーザーが使用するアプリやシステムの場合、各OSのバージョンアップが頻繁に行われるため、
その端末のバージョンアップに対応できるかどうかも、結構大きな問題です。
(この点、大手はあっさり対応できる反面、中小企業はかなり問題が多いケースがあります)
そのため、むしろ、「更新・保守・メンテナンス」に対して、
相手の会社がどれだけの人員やコストをかける覚悟があるのかを把握しておかなければいけないのです。
この視点から言うと、
しばしば業界内である「自社で使っている仕組みをおすそ分けします」というシステムや教材の購入は、
かなりの高確率で後々トラブルになっています。
また、「業界の専門家の会社が作った」系のシステムや教材も、
実態として技術者系の人周りが弱く、システム周りが脆弱だったりするので、結構危険です。
以上の視点を踏まえた上でベンダー選びのポイントを羅列すると、
一般的な価格や機能以外に、以下のようになります。
□拡張性:将来的な要件追加に対応が可能か?
□運用保守性:どこまでサポートしてもらえるか?サポートは有料か?
□納期:発注してからの納期は適正に守られるか? 自社都合での遅延はないか?
□サポート体制:運用保守に関わるサポート体制はどの規模か?
□企業の実力:業界知識や技術的な専門知識は業界内で高い水準か?
□企業の信用力:財務状況は健全か、中長期で維持できる可能性は高いか?
教育業の経営者様は、上記の視点を軽視して契約をしがちであるため、
今後、業者選択をする際には、参考にしていただければと思います。
そういう意味では、基本的に社長自らが、営業やサポートを全て担当している会社は、
かなりリスクが高いと言わざるをえません…。
CIOの存在やCTOの存在がどのレベルなのかも重要です。
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