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    『船井総研内の保育教育業分野のコンサルティングチーム「保育教育支援部」の上席コンサルタント。
    高等教育機関、学習塾、英会話教室、幼稚園、こども園、保育園、資格学校など、幼児から社会人までの様々な教育機関のコンサルティングを担当している。
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  • 2021年2月26日12:29 PM
    学習塾の合格実績2021年 実態は?水増し議論は!?

     

    日本全国各地で有名私立中学の合格実績が発表されています。

     

    中学受験指導を行う学習塾にとって、それぞれの地域の上位中学の合格実績は、

    まさに今後の経営を大きく左右する生命線になります。

     

    そういう意味では、学習塾経営に関わる人間としては、この数値の変動が大いに興味深いところです。

     

     

    <関東エリア>開成中学の各塾の合格実績2021年(2月末時点)

     

    SAPIX    :269名
    早稲田アカデミー :127名

    四谷大塚   :106名
    日能研     :30名

    浜学園    :23名
    栄光     :14名

     

    開成中の合格実績は今年はこのような状況です。

    相変わらず、ダブルスコアをつけるSAPIXさんの圧倒的な強さが光ります。

    二月の勝者という塾業界を舞台にしたマンガでも、明らかにこちらをモデルにした塾が登場していますね。

    早稲田アカデミーさんは高校受験に強みがありますし、四谷大塚さんもグループでは予備校部門が強い。

    各々の事業領域の展開が興味深いです。

     

     

    <関西エリア> 灘中学の各塾の合格実績2021年(2月末時点)

    浜学園 :96名

    馬渕教室:71名

    希学園 :47名

    日能研 :30名

     

    一方でこちらは関西、西日本エリアの灘中の合格実績です。

    こちらはダブルスコアをつけるほどの圧倒的な1強という形ではなく、上位の学習塾が拮抗しています。

    10年以上前は浜学園さんの1強、もしくは希学園さんを加えた2強という合格実績でしたが、

    現在は馬渕教室さんが合格実績を飛躍的に伸ばしており(5年間で約2倍!)、浜学園さんと並ぶ勢いを見せつけています。

     

     

     

    …と、ここまでは事実ベースのデータなのですが、しばしば学習塾業界で話題になるのが、

     

    合格実績水増し問題

     

    です。

     

    要するに各塾の合格実績を足すと「明らかに中学の合格者数の総数を超える」という問題ですね。

    これのシンプルな足し算を根拠に、「合格実績の水増し」が疑う人がいます。

     

     

    ただ、ある程度学習塾業界に詳しい人なら常識ですが、

     

    「生徒が複数の塾をかけもちする」という事実がこの問題の原因です。

     

    中学受験の難関校を目指す塾においては、

    「そもそもその塾の授業についていけない」

    「ペース管理をしたい」

    などの理由で、個別指導塾や家庭教師を併用するケースは珍しくありません。

     

    今では通常授業はある塾を週複数回通いつつ、同時にWEB授業を他塾で申し込みしている家庭もあるでしょう。

     

    つまり、合格実績というのは業界内の一般的なルールとして

    「入塾手続きをした生徒」

    「一定の期間以上入塾している、在籍してる生徒」

    「直前まで退室せずに在籍している生徒」

    「講習やテストなどの短期間の生徒は除外する」

    などがありますが、一方で

     

    「週回数が最も多かった塾のみが合格実績としてカウントしてよい」とか

    「最も長期間面倒見た学習塾が合格実績をカウントしてよい」とかの

    ルールはありません。(というか、それは塾側の都合であって、そこまでリサーチされたら迷惑…)

     

    そのため、各塾の合格実績がこのような数値になるのです。

    (もちろん、各塾の多少の計算のズレなどはありますが…)

     

     

    それでは、合格実績が全くあてにならない数値なのかというと、そんなことはなく、

    どういう形であれ、「それだけの合格できる優秀層から支持されている、利用されている」という事実に

    違いありません。 ある意味、品質やブランドを表すバロメーターです。

     

    今どきは塾間での実績についての監視や、

    消費者のWEBクチコミなどがありますので、

    おいそれと各塾が誇大広告をする環境ではありません。

     

    合格実績は基本的に信じて良い数字といえます。

     

    もちろんそれだけで塾を選ぶべきではないのですが。