ベネッセさんの情報流出事件について。
なんとなくベネッセさんはジャストシステムさんに対してひたすら攻撃基調なのは気のせいでしょうか?
さて、今回の事件とは別にスクール・教育業の皆さんにとって注目していただきたいのは、
「これまでのベネッセコーポレーションの名簿集めのための並々ならぬ努力量」です。
今回の事件によって実情が解説されてしまいましたが、ベネッセさんは個人情報保護法の施行以後、従来行っていた全小学生に向けての絨毯爆撃的なDM戦術ができなくなったため、自力で名簿獲得のための様々な努力をしてきました。
マスコミでも取り上げられていましたように、「動物園」などの行楽スポットでイベントを行い、アンケートという名目で住所や氏名をプレゼントと引き換えにいただくなどなど。
私も個人情報保護法が施行されたときは、既にスクールコンサルの現役だったので、あの当時ベネッセさんが従来の戦術をどうやって切り替えるかを見ていましたが、上記のような方向に切り替え、その後継続的に顧客開拓していったのは見事の一言でした。
(結果的に名簿を取られて流出された保護者の皆様にとっては悲劇かもしれませんが・・・)
従来の通信教育業者や家庭教師業者が、当たらないチラシの大量折込や脱法ともいえる名簿によるDM手法にシフトしていく中で、自力で合法の名簿集めをやりきっていたのはすばらしいことだといえます。
自社の強みを理解し、「顧客名簿集め」の重要性を理解していたからこそ出来た戦術です。
こうした顧客開拓への努力量は企業としては見習う必要があるでしょうね。
・・・と、まあ上記のような背景を知っていると、安易に脱法的に名簿を買って楽して顧客開拓しようとしていたジャストシステムさんに怒りを感じる気持ちはよくわかりますが・・・。
あくまで以上はいずれも「経営」の視点で見たものであり、
消費者の視座で見れば、「そんなあくどいやりかたか!」「情報流出の責任取れ!」となるのでしょう。
実際に上記のような背景以上を知っていれば、今回の情報流出というのは、まさに「ベネッセの最大の強み」を失うことになるわけですから、自社のためにも消費者のためにも絶対に防がなければならないことであり、その視点で見てみると、ちょっと情報管理が甘いようにも思うのです。
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