反抗心旺盛。
面従腹背。
怠け者。
いずれのパターンも社内スタッフとしては困る人達なのですが、ある意味こういった特徴を持つ人たちは、いわば獅子身中の虫なわけですが、わかりやすいから対処しやすい。その「問題」がわかりやすいので対処をしやすいといえます。(面従腹背型の社員ってのは、本人はバレてないつもりでも大抵の場合モロバレですから)
しかし、中小企業の経営の中で時々存在して、しかも大抵の場合は経営側としても適切に対処できないパターンの問題社員が実は存在します。それは、
「言行不一致社員」
という存在です。
社員がいろいろな問題行動を起こしたとします。よくあるケースとしては、
「言われたことをやらない」「仕事に時間がかかりすぎる」「締め切りを守らない」など周囲から信用されなくなる行動が多いパターンです。
この場合、当然、上長としては注意します。
この上長が注意したとき、この「言行不一致型社員」は非常に素直に注意を受け入れます。心の底から自分が悪かったという表情をし、「反省している」「今後は気をつける」「二度としません」という前向きな言葉を並べます。
注意をして、えらく殊勝な態度をとるものですから、上長としては「これなら、今後は大丈夫だろう」と思って、その場は無難におさまります。
…しかし、それで社員の行動がピタっとなおるかと思いきや、少し時間が経過したら同じような問題をまた起こしてしまうのです。
問題行動を起こすたびに注意をする。
そのたびに社員は真摯な表情で注意を受け入れ、前向きな「今後はがんばります」的な発言をする。
上長がその態度を認めて信頼しても、また裏切られて問題行動を起こす…。
終わらない無限地獄のようなものです。
最終的にはみんなが疲れてしまう…。
意外とこういった負のスパイラルに陥っている社員がいたりします。
このような言行不一致=今後はがんばる!と言ったのに行動がついていかない社員は結構多いです。
表面上はファイティングポーズをとりながらも、実のところ「心は燃えていない」状況です。
言葉では前向きでも、心は逃げているのです。
言葉は厳しいことを厭わないと言いつつも、つい甘い方に流れてしまうのです。
こういった社員の取り扱い、上司の対応としての問題点は、
「表面上の言葉」
「前向きな姿勢」
「反省している態度」
をそのまま信じてしまっていることにあります。こちらの注意に対して、真摯に聞き入る人間は「いい子」だと信じてしまうことに問題があるのです。よく社長さんから相談されるとき、この手の言行不一致型社員は「いい子なんだけど…なぜかなおらない」という評価の発言をされます。この「いい子」という表現が曲者で、注意されたときの真面目な姿勢のみを評価しているということなのです(相手の子がかわいいという愛情もあるでしょうしね)。
言行不一致型社員は自身の発言、上長との約束を破っているわけですから「いい子」であるわけないのですが、つい相手の真面目な態度に屈してしまうのでしょう。
こういった心が逃げている子は、いくら口で言ってもなおりません。注意するたびに真面目な反省顔を見せられ続けるだけです。
一般的に経営者や経営幹部と呼ばれる人達は、意志が強く、言行一致型の人間が圧倒的多数です。
そのため、上長から怒られて約束までしたのに、平気で同じミスをする人間の心理状況が理解・想像できなかったりします。しかし、世の中には「自分の言ったことが行動につながらない」というタイプの人間が存在することを忘れてはいけません。
ちなみに、上記のような言行不一致型の社員はある意味「虚言癖」の可能性もあります。
<以下、ウィキより引用>
虚言癖では現実から来るストレスよりの逃避ともみなされ、嘘を付く事で一時的にストレス因より距離をおく事で、当人の精神衛生上で芳しくない影響を軽減する効果がある。しかし、常態と成ってしまっている場合には、先延ばしのように、問題が単に先延べされて山積される結果しか生まないとも考えられる。過度の嘘が当人にとっても、苦痛を生む可能性も否定できない。
つまり、上長から怒られているというストレスを軽減させるために、その場を美辞麗句で切り抜けようとする。しかし、その美辞麗句というのはその場を切り抜けるための単なる”嘘”でしかないため、行動修正につながらずに、いずれ同じミスを繰り返す…と。要するに上長が信じていた「相手の前向きな姿勢」というのは、行動の約束ではなく、単なるストレス逃避のための嘘だったりするわけです。
怒られているときの反省の弁が、
言行一致型の人間にとっては「約束」ですが、
言行不一致型の人間にとっては「ストレス回避のための道具」なのですね。
真剣な反省の表情や言葉よりも、ビジネスの世界では「行動をなおせるかどうか」これだけが全てです。
表面上の真面目さにまどわされるのではなく、キチンと結果をみるようにしましょう。
学生時代から「真面目」という評判を得ていた人間、学級委員型の人間なんかに、時々、上記のような言行不一致がみられたりします。自分を守るための「表面上の真剣な態度」をとる癖ができています。
こういう子の「逃げグセ」はキッチリと修正してあげなければいけません。
具体的な手法については、また今度。
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