ある子ども向けスクールの現場でのスタッフさんとのやりとりでこんなことがありました。
スタッフさんが言うには
「プロジェクタの出力照明がまぶしすぎて、子ども達が後ろを向いてそちらを見たら目を傷めてしまう。だからプロジェクタを使うのを止めた方がいいのではないか」
そんなことをおっしゃるのです。
そのスタッフさんが言うには
「たとえいかなることがあっても、スクールに危険なものがあってはいけない」
とのこと。
これはこれで正しい考え方のように思いますが、
みなさんはどのようにお考えでしょうか?
私はシンプルにこう思いました。
「3名程度の子ども達しか部屋にいないのだから、後ろを見ないように注意すればいいんじゃないかな…」って。
せっかくのプロジェクタでキレイな画面を子ども達が喜んでいるのに…
この話を聞いて、私は小学校の先生達の苦労がわかったように思いました。
そりゃ学校現場では、まともな教育できないですよね…。
給食で熱いスープ出したらダメ、冷たい牛乳出したらダメ(笑)
そもそも危険って何なのでしょうか?
上記のプロジェクタはそもそも映し出された画面を見るものであって、映写機を見るものではありません。
それをいいだしたら映画館だって後ろの映写機をみたら目を傷めます(笑)
さらに言えばプロ野球観戦もスポットで目を傷めますね。
間違った使い方をしたら、何だって危険はあります。
ハサミだって、カッターだって、エンピツだって、フォークだってそう。
ましてや一歩外に出たら自動車なんて大人にもダメージを与えるものまであります。
体育の授業だって水泳は死ぬ危険性がありますし、組体操で骨折の危険性だってあります。
以前紹介したテニススクールさんでは授業の中に、鬼ごっこなどの昔遊びを取り入れていますが、それだって衝突したら骨折の危険性があります。
私は、最近の教育の最大の間違いは、
大人が「子どもに対して注意・教育することから逃げ、ただ危険なものを周囲から取り除いておけばよい」と思っていることだと思います。
周囲から危険を取り除くという発想ではなく、子どもが危険な使い方をしないように、大人側がどれだけ真剣に子どもと向き合って行動を正してあげるか、それが重要なのではないでしょうか?
また、それが我々大人の役割なのではないでしょうか?
社会に出たら危険がいっぱいなんです。
子どもの周囲から全ての危険を取り除いて、危険予測のできない間抜けな人間を育てることの方が、よほど将来において危険な大人を育てることになりかねません。
だからこそ、せめて物心つきだした4~5歳に対しては、しっかりと大人が指導していかなければいけません。
大人が子どもの指導・教育から逃げていては、
工作の時間もできない、体育の時間もできない、ピクニックさえできない。
無菌室で強い子どもが育つと思いますか?
雑菌まみれで育った昭和生まれがタフなはずです(笑)
意外と教育現場には、
「過剰に子どもの周囲から危険を取り除こう」という発想を持つ人は多いのです。
ただ、私には「子どもを指導する責任」「自分へのリスク(危険)」
を自分の周囲から取り除こうとしているように思えます。
子ども向けのスクールの現場には、そんな現在の教育姿勢に疑問を感じ、
強い子ども達を育てるために、
自然体験や荒々しい昔遊びを取り入れている方もいらっしゃいます。
私はそんな取り組みの方がいいと思うのですが。
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