スクール教育業界においては、いわゆる「老舗」企業は他の業界に比べてあまり多くはありません。
昭和の人口増時代を一緒に駆け上がってきた学習塾業界においては30年企業はたくさんありますし、専門学校業界もありますが、その他のジャンルとなると途端に30年以上事業を続けている企業数は少なくなります。
一般の消費者の方はご存じないかもしれませんが、
スクール教育業界に浸かっていると、様々な業界の中堅企業の倒産がたくさんあったのです。
なぜ、スクール教育業界においては、30年続くような、永続できるような企業が少ないのか?
それは、やはりスクール教育業界の各ジャンルの市場規模の小ささ、そして時流の変化の激しさによるものだと思います。
学習塾や専門学校のように「人生」に直結するような市場ではなく、どうしても趣味性が高かったりマニアックな資格だったりすれば市場規模は小さくなる。そしてブームが去ると同時に急速に市場は縮小してしまうため、その分野に固執していた企業は瞬く間に経営が成り立たなくなってしまったのです。
これだけ安定感のない企業が多い業界では、今後、優秀な人材を募集採用しようとしても限界があります。スクール教育業界においては、今後「社員が一生安心して働ける」会社づくりを目指して、優秀な人材が集まりやすい状態をつくっていかなければなりません。
そのためにも、個々の業界の市場規模が小さく、時流の影響を受けやすいのであれば、
その時流の変化の影響を小さくするために、事業を多角化しリスクヘッジすればいいわけです。
私が先行する業界として常に目指しているのは「飲食業界」です。
飲食業界においては、各地域にメガフランチャイジーや地元密着の企業が、様々な飲食ブランドを複数取り入れて事業展開をしています。
焼肉ブームがくれば焼肉店をつくり、回転寿司が流行れば回転寿司店をつくり、またなんらかの理由で市場が縮小に転じれば、上手に業態転換をして新しいお店に切り替える・・・
非常にビジネスとして理にかなっています。
地域に「食」というテーマで貢献をし、地域内の消費者が求める飲食分野のお店を用意するという基本戦略も非常に好感がもてます。
もちろん、飲食業界においても単一のジャンルのみで勝負をしている企業はありますが、
やはり業界をしっかりと支えているのは、地域密着で多角化経営をしている企業です。
スクール業界においては、どうも「単一のジャンルにこだわる」ことをよしとする傾向がありますが、
単一のジャンルのみでビジネスを展開するのは、よほどの圧倒的ブランドと実績がなければ、大きなリスクを伴うのも事実。これでは社員の生活を一生保証することは難しいでしょう。
だからこそ、今後のスクール業界においては、社員を一生安心して働ける会社作りを目指す企業。
必要とあれば事業の多角化を上手に行える企業。
地域にない魅力的なスクール商材を積極的に導入し続ける企業。
こんな企業が増えてくるのが理想だと私は考えています。
今まではどうしても職人気質であるがゆえに、事業の永続性が弱い企業が多かったこの業界。
この業界の良いところは維持しつつ、新しい強い会社作りをサポートするのが私の使命だと勝手に考えています。
ちなみに下記のセミナー。
私のそんな決意を表したセミナーでもあります。
まだまだ、スクール教育業界ではメジャーではない「多角化経営」。
この理想形をお伝えできればと思います。
11月10日(日) スクール向け多角化経営セミナー2013
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