近年のスクール・塾関連の企業の重要テーマに、
幹部・管理職社員の無謀な独立起業をいかに思いとどまってもらうのか？
があります。
昭和と違い、終身雇用が崩壊し、会社勤めの給料も上がりにくい中で、独立起業をしようとする人が増えています。
もちろん、「給与ゼロ」「失業しても保険がない」などを覚悟した上で開業するのであればいいのですが・・・。そうではない安易な起業が多いのも事実でして。
さて、そんな安易な独立起業ブームを加熱させようという意図があるように見え、
また柳の下の二匹目のドジョウを狙ったような本があったので、
この種の本がどんな価値観を広めているのかを知りたくて、つい本屋で買ってしまいました。
- もし ＯＮＥ ＰＩＥＣＥファンの女子大生が起業したら/佐藤公信
- ￥1,680
- Amazon.co.jp
…はい、タイトルでわかるように「もしドラ」系の二匹目のドジョウタイプです（笑）
さらに「ドラッカー」とか「コトラー」とかをタイトルに入れずに「ワンピースファン」とか言っているわけですから、メチャクチャ軟弱な本だと思いながら購入。
…が、この書籍、期待をいい意味で裏切られました(・ω・)/
イラストとタイトルが軟派なだけで、中身はとてもしっかりしています。
ワンピースとの関連性はオマケ程度だけど、それはまあよいでしょう（笑）
小説としても文章はよく出来ていますし（小説としての質は本家をはるかにしのぎます）、途中の筆者のビジネス解説も、ビジネス初心者にとっては非常に参考になると思われます。ビジネス勉強においても本家をしのぎます。
さらには「起業することの覚悟」も同時に求めているように思います。
まあ、どれだけ中身が硬派（イラストは軟派だが）かというと
「会社の債務は会社のみんなのものだけど、
返済の義務は社長ひとりの義務なのよ！」
…いったい世の中の社長さんたちは、何が楽しくて社長なんてやっているのかしら？
とかいう表現が出てきたり、
結局最後の最後まで、社長の給料は「ゼロ」で終わっていたり（アルバイトの給料は払っているのに）。
…こんな具合です。
とてもチャライ設定なのに、ストーリーはすっごくリアルです…。
小説なので「イベントでドカーンと当てて～」とかもありだと思うのですが、そんな演出は一切なし（笑）
おそらく作者は独立起業を応援すると同時に、安易な軽い気持ちでの起業はろくなことにならないというお考えも同時にお持ちなのでしょうね。
誠実な方だと思われます。
独立起業を考えていなくても、社長さんの大変さに気づくために。
この書籍、
またビジネスの発想力と応用力を学ぶためには、とても良い書籍です。
軟派な外観とタイトルに惑わされたら、火傷します。
それくらいよく出来た書籍です。
ぶっちゃけた話、本家よりもビジネス応用力は確実に身につきますよ。
ひとつひとつのイベントや仕掛けで確実に反省点を織り交ぜているのも面白いです。
二匹目のドジョウと思うことなかれ、オススメです。
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