この樫木さんのカーヴィースタジオ問題。
意外と神田うのさんが良いコメントを出しており、
「なんだよ単なる経営難かよ」的な雰囲気で話題性がなくなったので、
世間からは忘れ去られるネタとなりつつあります。
ただ、スクール関係者、スタジオ関係者からすると、後学のために学びの多いエピソードなので、経営の専門家の視点からいくつかポイントを徒然なるままに書きますと・・・
・スタジオ系ビジネスは生徒の時間単価とスタジオ家賃のバランスが命なので、家賃が法外に高い、講師の人件費が高い、減価償却費が高いとかだと、長期的には経営がもちません
・したがって今ブームのHIPHOPのダンススタジオは、安月給で講師を雇えているうちはいいですが、今後彼らが加齢して生活のために給与アップを求めてきたら、ビジネスモデル自体が崩壊します。人気講師が辞める=生徒が辞めるのもスクール企業衰退のひとつの王道です
・カーヴィーグランドはスタジオ自体が費用がかかっている上に、カフェが併設なのが重い。
カフェ併設はドトールの横にスクールがあるとかのように、「カフェ自体が客寄せ」になるものであればいいのだが、スクール利用客を目的としたカフェ運営の場合、厨房施設とか調理師とかの人件費が重すぎる。このカフェも赤字になりやすい
・こうしたビジネスモデルが失敗する背景は、「ビジネスモデルそのものが悪い」か「現場の経営努力が不足しているか」のどちらかだが、今回は主に前者だと思われる
・ビジネスモデルが既に間違っていると、現場の努力ではどうにもならない
・逆にビジネスモデルは正しくても、現場の努力が足りなくて業績が上がらない、さらにはその原因をビジネスモデルや戦略面に責任転嫁して失敗するケースも多い
→こういった場合は現場が頑張れば再生は可能
・東京都内だとこういった「芸能人や有名人・大企業のネームバリューにのっかってビジネスやりません?」的な話は実はすごく多い
→スクール関連も実は多いです。私も何件も相談受けたことがあります。
でも、ほとんどの場合そのネームバリューを過信して集客の見積もりが甘すぎて、企画ビジネスモデル段階でアウトのケースがほとんどです。
でも、こうして専門家に相談にくる方は失敗を避けられてラッキーなわけですが、広告代理店や建設会社などに煽られていると多くの場合ストップかからないわけです
・マスコミに取り上げられた、書籍を出版したとかでちょっと気持ちが浮つく人は多いのですが、経験者から言わせてもらうと、マスメディア・大企業に取り上げられるのは、あまり経営にはメリットがない(よほどのブームでない限り)
むしろ、そのことで気持ちが浮ついて、本業がおろそかになったり謙虚さがなくなるほうが怖い
・あと「入会待ち」って便利な表現だなと思いました。
経営難でない理由の根拠としてここが上げられるのですが、絶対に月謝会員が多かったわけじゃないでしょうからね
以上で本件に関する私の考察はこれで終わりにしたいと思います。
私としては立場上、こういった案件に対してコメント出しますが、個人的には落合GMの年俸交渉についての感想を熱く語りたいのが本音です(笑)
ご興味がある方は、勉強会などで気軽に質問してくださいね♪
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