年末年始のニュースで大きな話題を占めてくれている「派遣村」。
大企業の大規模な派遣社員切りはそれはそれで問題ですし、雇用不安が今後の日本社会で大きな問題になってくるのは事実でしょう。テレビの討論番組で派遣社員切り関連で政府の政策の課題を議論するのも、まあいいでしょう。
しかし、マスコミにうつる「派遣切り」の様子は、本当に真実をうつしているのか?
また、テレビの討論番組で話している諸先生方も、現状の派遣社員の実態を把握しているのか?
そんなことが気になります( ̄* ̄ )
日比谷派遣村にしたって、マスコミは自分達の主張を通しやすい雰囲気にしかうつさないわけですし…。
現在の自民党政権や過去の政策批判をするのに絶好の材料でしょうから、フル活用していると思うんですよね。
そもそも日本は大企業批判が大好きですし。
まあ、私も社会学者ではないので、日比谷派遣村の実態を実際の目で見て調査する気はないですが、
ただ、実家に帰省した時に、トヨタ城下町の中で派遣会社の受付をやっている人間から話を聞く機会があったので、少しご紹介。(別にこれが真実ってわけでもないのですが、マスコミの偏った情報だけでなく、こういった見方もあるという程度に)
まず、トヨタなどの自動車工場が「派遣」を切っているのは事実だそうです。
正社員をなんとかして食べさせていくためにも、派遣を優先的に減らしていくと。実際、話を聞いた相手の会社では昨年に比べて発注数(派遣の依頼)が半分になっているそうです。
ところが派遣労働者の境遇については、意外と冷静なコメントが出てきました。
1.派遣社員は「寮費」「光熱費」「寮での食費」が給料から天引きされた段階で給料をもらう。大抵は天引きされた後での、手取りで十数万円程度は残ることが多い
(家賃は既に引かれた後というのがポイント)
2.寮で出ない分の食費を自分で払うとしても、家賃がかからないため、可処分所得で十万円前後残る人が多い
3.だから突然派遣切りを受けたとしても、きちんと貯金をしているのであれば、いきなり路頭に迷うなんてことは考えにくい。さらには実家に戻れば家があるような人も結構いる
4.派遣社員として働く人は、「正社員として働けない」のではなく、「正社員になって縛られたくない」という人も結構な数で存在する
5.マスコミの報道で「手取りは十万円なんです…」みたいな明細を見せることがあるが、実際のところ家賃や諸経費が全て支払い終わっている状況であれば、可処分所得に近いため、結構な金額である
まあ、だいたいこんな感じです。
私も知らなかったのですが、派遣社員の寮は派遣会社が手配しているらしいですね。
さらにこの人に言われたのは(一部偏見も入っているのでしょうが)、
「派遣切りにあって、その日の宿も困る人というのは、働いている間、全く貯金もせずにパチンコなどをしていた人間であって、ある意味自業自得。きちんと貯金をしている人は、別に急に宿に困るほどのことは決してない(今後はどうなるかわからないが)。」
「実家に帰れば家があるのに、それを嫌がって出稼ぎに来ている人間も多い。『住むところがない』というのも、ある意味選り好みをしていることからおきていることであって、これも自業自得」
だそうです。
…う~ん手厳しい。
まあ、全てが全て上記のようなケースではないにせよ、
派遣社員の人たちをたくさん見ている現場の人からすれば、真面目に貯金をして、派遣切りにあっても前向きに次の人生を進んでいる人たちを見ているわけですから、浪費癖があって当座の資金に困る上記のような人に批判的な気持ちになるのでしょうかね…?
マスコミ報道というのは圧倒的な偏向報道。
そういった面から見えない、別側面からの視点も我々は知る必要があると思います。
そうでなければ本当の解決策にはたどりつけないですからね。
一番怖いのは、今回の問題が、
「企業側(強者)の価値観」VS「派遣側の価値観」
みたいな対立構造になって、お互いがお互いを否定しあうことだと思うんですよね。
そこから生まれるのは日本企業の海外脱出という最悪のストーリーですから…。
Tweet |