自己紹介
  • 自己紹介


    『船井総研内の保育教育業分野のコンサルティングチーム「保育教育支援部」の上席コンサルタント。
    高等教育機関、学習塾、英会話教室、幼稚園、こども園、保育園、資格学校など、幼児から社会人までの様々な教育機関のコンサルティングを担当している。
  • 最近の記事一覧

  • ブログカテゴリ一覧

  • 最近の記事一覧
    ブログカテゴリ一覧
    カレンダー
    2024年4月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
    アーカイブ
  • 月別アーカイブ

  • RSS
    [前日の記事] «
    [翌日の記事]  »
  • 関連サイト情報

  • 2008年10月17日11:05 PM
    第二・第三のゲートウェイ21は存在する!?
    CATEGORY: 日々雑感

    留学仲介のゲートウェイ21の破綻。スクール業界ではありませんが、近しい業界なので、この件についても触れてみましょう。

     

    少し前のNOVAの問題でも起こったパターンですが、今回のゲートウェイ21も「お客様からの預り金を事業展開の資金に使っちゃって、結局会社が回らなくなって倒産。お客様はお金返ってこず」という前受金・預り金ビジネスの消費者被害の典型的パターンですね。

     

    当然のことながら、月謝制のスクールなんかでは、こういった預り金がらみのトラブルはないわけで。

    問題になるのは前受で一括入金で大金を手に入れる形式のスクール業態のみになります。

     

    この一括入金というのが曲者で、結構な金額が前に入ってくるので、資金繰りがぐっと良くなる。さらに売上がグッと上がるので、経営側としては非常に魅力的。この魔性の魅力を持つ「一括入金」が経営判断を狂わせるのです。月謝制でマイペースに入金を獲得しているスクールさんの場合は、派手さはないけれども、そんな足の踏み外し方はないですもん。

    ちなみに月謝制は実は究極のスクール形態ですよ。好調時の収入は安定していますし、赤字だったらすぐにビジネスの限界が悟れますし、変なお金の流れでの延命作業も無理ですし、倒産時に消費者に与える影響も少ない。(本当は月謝制と講座バラ売りの融合がベストですが)

     

    昔、あるパソコンスクール協会のレポートで、

    「月謝制でチマチマ稼ぐビジネスはつまらなくないですか?資格を販売すれば1人30万円!5人売れば一気に150万円の売上ですよ!」みたいなレポートがありました。これを読んで激怒した覚えがあります。

    資格を販売したとしても、一時的な入金が増えるかもしれませんが、そのレッスンの「消化」には、講師料や家賃など長期間にわたって費用が発生します。その事実と企業側の責任を明確にせず、一時的な入金が増えるからと、安易に零細スクールに高額の資格販売を勧める姿勢、これは悪徳業者と実は変わりませんが、当の本人たちは全くその異質性に気付いていないのが現実なのです。

     

    「預り金は本来使っちゃいけないお金」「これを使ったら詐欺罪にあたるかも」なんて言っている、弁護士さんの発言も理解できますが、おそらく現実社会は想像以上に厳しい。

    預り金に手をつけていない企業なんて、ほとんどないと思います。そもそも経営というのはレバレッジ(てこの原理)をきかすのがセオリー。小規模のお金を元に、どこかに投資して、大きなリターンを得るという流れは普通なわけです。

     

    そのお金の元が、上場企業ならば「株」を買っている投資家であり、間接金融べったりの業界だったら銀行であり、中小サービス業でしたら消費者になっているだけの違いです。消費者からいただいた前受金を元手として、ビジネスをするのは中小サービス業としては当たり前になっちゃっているのが現実なんですよね。

     

    ただ問題は投資家や銀行は「企業に渡した金」「貸した金」が返ってこないことを少なからず想定しているのですが、消費者の前受金というのは、全くそういうニュアンスがわからないってことでしょうね(わかるわけない)。でも実体はそんなものです。

     

    そんなわけですから、前受金を銀行からの借入金みたいなノリで活用している企業はかなり多いです。

    多いというか、中堅サービス業はみんなそうじゃないですかね?

    しかし、決してそれは悪いことではなく、健全な企業であれば、特に消費者にも被害はないわけです。

    ただ、中には安易な売上アップ策として前受金を稼ごうとしている企業も多いんです…。

     

    複数の安定した事業を持っている企業であれば、なんとか補填もできるでしょうが、前受金=一括入金ビジネスオンリーを単一業態でまわしている企業なんて死ぬほど危なっかしいとお考えください。

    しかも、今のように不景気になると、すぐにこういった企業はダウンしちゃいますから、第二・第三のゲートウェイやNOVAなんてゾロゾロ出てくる可能性があります。お早目の資金回収も必要かもしれません。