自己紹介
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    『船井総研内の保育教育業分野のコンサルティングチーム「保育教育支援部」の上席コンサルタント。
    高等教育機関、学習塾、英会話教室、幼稚園、こども園、保育園、資格学校など、幼児から社会人までの様々な教育機関のコンサルティングを担当している。
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  • 2013年12月24日7:10 AM
    スクール・学習塾のFC選びの注意点
    CATEGORY: 日々雑感

     

     

    スクール・学習塾分野のFC選びについてですが、

    大手企業のFCだからといって安心できるかというとそうでもありません。

     

     

    FC事業を運営する企業には2つの考え方があり、

    1つは「自社の商材や技術をより多くの人に伝えるための手段」という考え方、

    もうひとつは「FCシステムをあくまでビジネスとして活用する」考え方です。

     

     

    大手企業のFCシステムは建前は前者のようになっていますが、その実態は後者であることが多く、当然、ビジネスとして利益を出していくために、

     

    ロイヤリティ設定が高め

    契約書により縛りが異様に多い

     

    のが特徴です。

     

    また、極端に店舗展開=加盟店募集に力を入れることが多いため、自社ブランド内でのバッティングが起きたり、自社で店舗展開をすることが難しいケースも多いのです。

     

     

     

    こうしたFCの仕組みは、あくまで個人の主婦や脱サラした方が1拠点運営して生計を立てる分には問題ありませんが、ある程度企業として拡大・成長を志向していく企業にとっては大手企業のFC加盟はデメリットばかりが目立ちます。

    その理由をまとめると

     

    1.ロイヤリティが売上の10%以上は厳しい

    →店舗展開し正社員を雇用する前提になれば、新店開発経費、本部経費や正社員の採用コスト、保険料などのコストがかかってくるため、売上の10%以上持っていかれては、よほど市場が成長期でなければ厳しい。

    特に学習塾の場合、「生徒数一人当たり」のロイヤリティと、「売上の○%」のロイヤリティは全く意味が異なる=利益のもとになる夏期講習や冬期講習にまでロイヤリティを設定されてはたまらない。

     

     

    2.自社で拠点展開していく中で商圏バッティングが発生する

    →商圏に関する取り決めが厳しいため、自社ブランドの中で商圏バッティングが発生し、いざ拠点展開しようとしても、自由に出店できないことが多い

     

     

    3.広告や運営に関するルールが厳しい割に本部提供のノウハウレベルが無難で低い

    →大手企業のFCになればなるほど、本部主導で販促などを行うようになります。

    結果、各企業の思惑や市場性を無視した、全国同一のチラシや広告展開になり、今の時代の流れを全く無視したマスマーケティングを実施せざるを得なくなります。

    また、独自で良い取り組みをしようとしてもルール上の縛りが異様に多かったりします

     

     

    4.上記のような「手詰まり」ルートが存在するのに業態転換・脱退の罰則が異様に厳しい

    →上記の3つの要素は経営を進めていく中で発覚するデメリットです。

    しかも、そのデメリットに気づいた時点で経営上は「手詰まり」。

    にもかかわらず、FC本部企業は脱退を許しません。当たり前といえば当たり前ですが・・・。

    また、さらにひどいのは「他の教育事業をやることを禁止する」という、新規事業の展開を止める条項が入っている点です。ライフサイクル理論を知らない、もしくは加盟店を飼い殺しにする条項です。

    要するに「拡大もさせないで、今のままロイヤリティだけをおさめてくれればいい」という扱いにされてしまうわけです。

     

     

     

    このように全国に名前が知られるような大きなFCは大きな企業なりのデメリットも多いのです。

    小さすぎるFC本部でも問題ですが、大きすぎるFC本部でも問題。

    このあたり、FC本部の選び方は難しいところなのです。