最近話題が豊富な「派遣切り」の問題。これについて色々考えてみました。
今回問題となった製造業における派遣活用から派遣切りの流れというのは、冷静に考えればトヨタの伝家の宝刀である「かんばん方式」を製造物だけではなく「人」にまで適応したってことなのだなあ…としみじみ実感。
要するにトヨタ自動車をはじめとする各メーカーは「正社員」は「人」として扱っており、
派遣労働者は「モノ」として考えていたということなのでしょうかね?
かんばん方式でいつでもストップかけられる~みたいな。
トヨタの終身雇用・家族主義的なところも、あくまで正社員という枠の中でのキャッチだったわけです。
まあ、メーカー側からすれば「全て契約に基づいて双方合意の上でのこと」って思いはあるでしょうし、確かにそうでしょうが、本質的には「人をモノ」として扱っていたことは事実なわけで、いくら国際競争力確保のためといっても、こういった取り組みは経営の王道(人を大切に)から外れていると思うわけです。
今回の問題は、「小泉改革の弊害」とか「派遣労働者側にも問題はある」とか、「大手メーカーがひどい」とか色々な議論が渦巻いていますが、深い話はよくわからないです。
ただ、一人の経営コンサルタントとして考えてみると、
単純に今回は「人を大切にしない企業はダメ」「企業には社会性が求められる」という非常に原則論的な部分で、今回はメーカー側に問題があったように思うわけです。だって、人をモノとして扱っていたのは事実ですから。
だって、合法だからといって麻薬を売って人を不幸にして大儲けしちゃダメでしょう?それを「法律的にはOKだし、当事者も欲しがったから…」って言ってもダメですよね。今回はそれが派遣活用だったわけですが。
あと、スクールビジネスというサービス業のコンサルタントとして、さらに文句を言わせてもらうと、
数年前の派遣制度によって、かなりの若い労働人口が「派遣」という形態で製造業に流れたわけです。
その影響で、福祉などは特に、我々サービス業は人不足に悩んでいたと…。
経団連の各企業トップのインタビューの中でも、印象に残ったのがローソン社長の「我々サービス業は今まで慢性的な人不足に困っていた」という発言でした。
我々の業界が人不足で悩んでいたのは、派遣制度の問題も関係していたのかと。
(まあ、確かにサービス業は労働条件が製造業派遣に比べてキツイのも問題でしょうけど…)
まあ、そんなこんなで、やっぱり経営の原則として「人を大切に」っていのは重要だと思います。
今回の騒動の一番の弊害は「今の日本企業において、人を大切にする」という日本的企業風土がなくなってしまっていることが白日のもとにさらされたことなのかなと思います。
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