たまには個別の業界についての雑感を述べてみたいと思います。
今回は学習塾業界について。
学習塾業界はカルチャースクールビジネス全般に比べると、
「必需品」的な意味あいが強く(通塾率の高さなどからわかる)、
非常に潤沢なマーケットに支えられてきた業界でした。
しかし、潤沢なマーケットがあるということは、業界のガリバーを生み出すことにもつながり、
業界には超大手とも言えるような大企業が複数存在することになりました。
さらには、少子化という流れの中で、前提であった潤沢なマーケット自体も縮小傾向。
つまり学習塾業界は、今までは市場事態が成長傾向で、全体的に伸びてきたわけですが、
今後は市場規模が縮小傾向&大規模企業が存在しているという、
ある意味中堅企業にとっては一番やりにくい業界になりつつあるといえます。
このように坂道を転げ落ちるかのような業界状況の中では、
ガリバー企業が豊富な資金を使って、ドンドン新しい手をうってきます。
どうやら今の塾業界では通信講座開発やM&Aなどに向かっているようですが。
最大手企業たちがものすごいスピードで次の一手をくりだしているわけなので、
中堅企業はそれ以上のスピードで自社の内部改革を行わなければ、確実に緩慢な死に至ります。
塾は比較的地域密着な企業が多いので、極端な業績の悪化は起こりにくいのですが、
10年~20年経過する「緩慢な死」は着実に近づいているケースも多くなるでしょう。
30代~40代の経営者様はこのことを認識する必要があります。
もちろん中堅の学習塾企業さんも、業界の厳しさは感じていらっしゃるので、
いろいろな客層の付加や業態の付加をしているようですが、
「小手先」レベル、目の前の売上維持レベルの対策しか打てていないケースが多いように思います。
これから業界に襲ってくる波は、そんなことでは乗り切れないレベルだと思われますよ。実際。
まだ、業界全体が淘汰の波におそわれているわけではないので、
それほどリスクを感じられる企業さんは少ないかもしれませんが、
建設業界のように、いくときはほんとにものすごいスピードで変化が訪れますのでご注意を…。
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