自己紹介
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    『船井総研内の保育教育業分野のコンサルティングチーム「保育教育支援部」の上席コンサルタント。
    高等教育機関、学習塾、英会話教室、幼稚園、こども園、保育園、資格学校など、幼児から社会人までの様々な教育機関のコンサルティングを担当している。
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  • 2007年8月2日10:43 PM
    原価へのこだわり
    CATEGORY: 日々雑感

    意外かもしれませんがスクール経営において考えるとき、私は「原価」にこだわります。

     

    ちなみにスクール経営において一般的に「原価」として扱われるのは、

    講座を提供した講師の時給・人件費になります。

     

    この講師の取り分である「原価率」がスクール経営の成否を大きく分けることが多いため、

    スクールの開業や活性化をする際にトコトンこだわるということです。

     

    一般の業界の方からは考えられないことかもしれませんが、

    スクール業界においては古くからの商習慣として「売上歩合」をとる会社が多い。

     

    カルチャーセンター業界などに特に多いのですが、

    つまり、講座の売上のうちの40%~60%をそのまま講師の時給として支払うというシステムです。

     

    …ちなみに、このような率が高い売上歩合システムは、間違いなく経営を圧迫します。

    売上歩合40%に設定しておけば、損益上原価が40%を超えることがないように思ってしまいますが、

    現実には不採算の講師費用などが発生したりして、結局原価率が想定を超えたりすることが多いからです。

     

    また、売上が大きくなれば大きくなるほど間接的なコストは増大していくのですが、

    50,60%も原価として消えてしまっては、会社を支えるための間接コストをプールできないというのも問題です。

     

    また、この原価率。

    たかが数%といっても非常に経営に与えるインパクトはあなどれないものがあります。

     

    年商5000万のスクールの場合、

    原価率40%のスクールと45%のスクールでは、年間250万円もの利益額の差が生まれてきます。

     

    一般の企業経営において経常利益率は5~10%だったりするわけです。

    まさに、その経常利益額そのまんまが原価設定の違いによって生まれると思っていただけるとよいかもしれません。

     

    …ただ、スクール経営は元来利益率が高いビジネスモデルですし、

    それほど経営感覚を開業当初から持って運営されるケースも少ないため、

     

    講師との契約条件=原価設定

     

    について深く考えていないケースがあるのも事実なんですよね。

     

    当然、不当に低い原価設定は講師の労働条件が悪いって事ですから、

    そんな野麦峠的な経営が上手くいかないのも事実。

     

    しかし、だからといって講師との契約条件を甘く見ていると、

    経営を進めていくにつれおも~くのしかかってくることを忘れてはいけません。

     

    なお、安定期の業界(←ここは重要)においてはスクール経営の原価率は、

     

    マンツーマンに近い業態の場合は40~50%

    グループ授業ができる業態の場合は20~35%

     

    程度が妥当な水準でしょうか。