様々な仕事術についての書籍が発行され、研修なども行われている現在。
日経ビジネスアソシエなどの雑誌は、まさに一流のビジネスパーソンの仕事術の見本市になっていますので、おおいに刺激になります。
しかし、こうした「一流の人たち」の仕事術やテクニックが、逆に新人の成長にとって有害になっているケースが見られるので、ここで書いておきたいと思います。
例:
一流のビジネスパーソンがおススメするビジネス書を買って読んだら難しくて眠くなった・・・
→ビジネス書が苦手になる、自分には向いていないとカンチガイ、頭に入ってないのに読んだことで満足してしまっている(実践できていない)
日経ビジネスアソシエなどの手帳術を真似して分単位のスケジュール管理に挑戦したが、すぐに破綻してしまった
→自分の業務管理が下手なのか・・・と自信をなくす、上司から急な仕事をふられることがストレスになる
などなど。
要するに「理想形」や「上級者のテクニック」をかけだしの素人が真似しようとして、失敗するというケースですね。
スポーツの選手で、いきなり「田中投手のスプリットすげ~!」「俺も真似しよう!」となることがいかにNGかはみなさんわかるのですが、どうもビジネスの世界だとこの発想にたどりつけないようです。
だからこそ、私の研修では相手の企業の社員の方々のレベルに合わせて研修内容を調整しています。どれだけカッコよい内容を話しても、それは私の自己満足になってしまうから・・・研修の一番の目的はどれだけ泥臭くても、その会社の社員の方々が「できる!」ようになってもらうことだからです。
今のように様々なコンサルタントや経営情報や仕事術が氾濫している世の中だからこそ、
ただ情報を集めるのではなく、「自社に適した情報」「自社に適したレベルのもの」をチョイスする、情報リテラシーの能力が非常に求められていると感じます。
最後にオマケエピソードを。
先日、私が担当する新入社員向けの研修での出来事のこと。
(私はコンサルティングだけでなく研修もできるので)
その回の前の研修で私が新入社員向けの「手帳術」についての講習を行いました。
その研修と今回の研修の間で日経ビジネスアソシエさんの手帳術の特集号がありました。
一部の参加者はそのことに気づいたそうですが、「中身を軽く見て買わなかった」か「買ったけど細かくは読まなかった」そうです。
なぜか?
それは彼らが「今の自分達はこのレベルを真似してはいけない」「今はあくまで理想として見ておく位にしておこう」と考えたからだそうです。
今の自分達に必要なのは私の研修で伝えられているベーシックを徹底することだと。
・・・研修担当者として、これほど彼らを頼もしく思ったことはありません。
彼らの将来が楽しみです。
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