経営学をかじったことのある人なら聞いたことがあるかもしれませんが、
「スパン・オブ・コントロール」
(統制範囲の幅・限界)
という考え方があります。
昨日ご案内した雑誌に書いてありました(ウソ)
組織論での一般的な原則でして、
上司が直接管理できる部下の人数は5~6人が限界という考え方です。
(あくまで業務管理でして、人間的成長を促せる人数ではないですよ)
そんなわけで、組織をつくっていく途中で、
社員数が増えれば中間管理職をつくらなければならないというわけです。
このスパン・オブ・コントロールの考え方。
私はスクール経営において、
この法則を発展させた色々なルールを持っています。
例としてふたつあげると、
1.一人の校責任者が順風満帆にスクール運用できる生徒数の上限は決まっている
(基本、手足人員とは別の頭脳人員1人あたり100名前後)
2.一人のマネージャー(スーパーバイザー)が管理できる校舎数や売上規模も能力によって制限される
などでしょうか。
あくまえ校責任者は数字に責任が持てる頭脳的存在であって、
単に正社員とかアルバイトとかの区分ではないですよ。
この上限を超えるとろくなことになりません。
1なんかは実はスクール経営において、あまり実感を持ってもらいにくい部分です。
100名集まれば、その延長線上で200名もいけるんじゃない?
って調子に乗っていくスクールさんが大多数。
…でも、それは表向き問題ないように見えるようで、
実は目に見えないところでゆがみが発生しており、そのゆがみが数年後の経営悪化の因子になるわけです。
そんなわけで、あるスクールさんでは、
生徒数100名までは校責任者一人。
生徒数100~200名規模になってきたら、
校責任者をサポートするような講師側からの管理職をつくって管理職2人体制にしたりしています。
これによってスクールの適正な成長が保たれるわけです。
余談ですが、
ハッキリ言ってこの話を聞き入れてくれる校責任者は皆無に等しいのです。
(正論が正論として通用しないのがこんさる業のおもしろいところ)
たいていの場合上記のような警鐘を鳴らしたとしても、
「今、私が仕切っていて順調なんだから口出すな( ゚Д゚)」
って感じ。
また、経営者様においても、人件費上がるコストを恐れ、なんとか現状人員で生徒を増やそうとしたり…。
上記の例に出したようなスクール経営者さんは、どちらかというと業界内では例外です。
だからこそ、スクール企業として超優秀なのでしょうが。
目の前の現象について話す人と、未来のリスクを踏まえて話す人間。
なかなか相容れないものですねえ…。
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