本日とある方とお会いしました。
この方は以前はスクール事業の経営者で、事業も黒字で幅広い展開をされていたのですが、
ちょっと無茶な投資がかさみ、会社を手放すことになってしまった。
今は再起のためにコツコツ努力されているとのこと。
オーナーの頃、私のセミナーに来ていただいたり、一度あちらの会社におうかがいしたりした縁があったので、お話しをさせていただいたというわけです。
色々と今は苦労されているそうで、その大変さ、経営のリスクを感じた他、ささやかに悩んだのが自分の職業についてです。
というのも、実は昔経営相談させていただいた時、事業は好調だったのですが、資金ぐりや事業展開のリスクから、下手すると経営が成り立たなくなる可能性に気付いていました。
しかし、まさか初対面の方に
「あなたの会社。このままでは潰れますよ( ゚Д゚) 」
と言うわけにもいかず、そのときお伝えしたのは、
「優秀な会計士さんに顧問になってもらうべき」
「本業以外の投資はつつしみましょう」
「もしよろしければ顧問コンサルになりましょうか?」
といった内容でした…。
当時、事業が好調だったため、
その方は「顧問契約というよりも、これからもセミナーに参加して勉強させてもらいますよ!」
とのお返事だったので、まあ、仕方がないなと思いつつ、私は去った訳です。
…その結果が上述したとおり。
その元オーナーの方も「本当にあの時依頼しておけばよかったね…」と後悔されておられましたが、
同様に私もなんだか色々な後悔の気持ちがあるのは事実です。
あのとき、別の行動をするべきだったのかなぁ…なんて。
自分がいれば全てを救うことができるなんて傲慢ですが、
少なくとも今回のケースは確実に対処できたのですから。
私のような職業は
「依頼をしていただいた企業=資金がある企業」さまにのみに対して価値を提供できるわけで、
資金がなかったり、経営者の方に依頼する意志がなければ、
たとえ相手の状況が「ヤバイ…」とわかっていても、意見することはできません。すべきでもないでしょう。
だって、初対面で意見を求められてもいないのに、
「あなたの身体は病気に冒されています。
もしかしたら発病しないかもしれませんが、発病する可能性が比較的高いです。
その病気を治すためには数百万円のこのクスリが必要です」
なんて全くの健康体の人に言うわけにはいかないですから…。
むしろ好調な状況の時に「あなたの会社はこのままでは危ないですよ」なんて言ったら、
単なる恐怖商法をやっている宗教団体と同じ扱いになってしまいますし。
モチロン経営相談の際に「何でも意見を言ってください!」
なんて言ってくれる方はいらっしゃいますが、
ほとんどの場合、正直な意見をいっても不快な表情をされるか、
「また、タイミングをみてお願いしますね」と無難な発言をされるか、
「こんな金目当てのコンサルの脅しにだまされないぞ」といわんばかりの態度をとられるわけです。
だから、私としては極力オブラートに包んで、
現状の認識、今後の課題に気づいていただくようにして、ささやかなコンサルティングの提案をするまでです…。
「今のままですと危ないですよ…」「コンサル契約が今は必要かもしれませんね」
と控えめにご意見をして、
「本当ですか?」「どうしたらいいでしょうか?」
なんてスーパー素直に前向きに意見を求められる経営者さんなんて、すっごく少数ですけどね。
(だからこそ、そんな少数の方が成功するわけですが)
そんなことで自分って
金持ち向けの医者&優秀な経営者の方対象の医者であって、それもなんだかなぁと思ってしまうわけです(笑)
別に不満はないのですが、経営相談の際のスタンスを多少かえるべきなのかどうかって悩みますねぇ。
ちょっとした雑感でした~。
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