スクール経営においてひとつのポイントとなってくるのが、
「講師との良好な関係の構築」
です。
良好な関係といっても、単に機嫌をとってお互いによい人間関係を築くなんていうことではありません。
単に機嫌をとるだけなら、それほど難しくはありません。
もっと別のレベルの問題です。
講師職にある人は、もちろんその人の環境や性格にもよりますが、
講師を続けていくうちに、
ビジネスより目の前の生徒満足を優先させ、
新規のお客様よりも目の前の生徒を優先させ、
会社利益よりも自分の利益を優先させ、
徐々に謙虚さが失われ傲慢になっていく
ケースが多い。
人気講師になったり実績を積んでくると、
本人は目の前の顧客満足に一生懸命なだけなんですが、
結果的に新規客を排除したり、ビジネス発想を無視したりして、
知らず知らずのうちに会社に対して「有害」な存在になってきたりしてしまうのです。
そのため、会社側としては、そういった講師の方が起こすであろう問題行動を牽制し、
相手のビジネスの世界で生きる講師としての成長を促さなければならないわけですから、
当然のごとく講師の方に対して、注意や意見をしなければならいことになります。
これが実に難しい…。
講師の方は自分の仕事に一生懸命なだけ。
目の前の会員様満足を最優先にしているだけです。
その発想自体は、スクールをボランティアでやっている限りは◎なのですが、
ことビジネスの世界でスクールを経営する限りは、
時にはお客様満足をある程度犠牲にしなければならないケースもでてくるわけです。
そんな「正しい」考え方のぶつかりあいをするわけですから、
感情的にこじれることも往々にしてあります。
しまいには
「ウチの会社はお金儲けのことばかり考えて、お客様のことを考えていない!!( ゚Д゚)」
なんて嘆く人間が出てきたり…。
(この台詞、ビジネスの基本がわかっていない人間が会社批判する時のお決まりのセリフです)
会社がギリギリのところで、利益とお客様満足を両立させようと頑張っているのに…(泣)
経営者の心、従業員知らずってのはこのことです。
単純に
「あなたは経営のことを何も知らないからそんなことを言えるです!」
「そりゃ~あなたは給料もらって教えることだけしていればいいので、そんなこと簡単に言えますよね!」
「お客様満足を求めて会社が倒産してもいいんですか?」
「そんなにお客様満足だけを求めるなら、貴方は無給で働いたらどうですか?」
などなど、要するに
「経営のことを知らない人間が勝手なことを言うな!ボケ( ゚Д゚)」
と一刀両断できればどんなに楽でしょう(笑)
しかし、当然現実は無理でございます。
さすがにそんなことをしては、講師の人のプライドは粉々になってしまいますので、
なるべく穏便に、なるべくわかりやすく、
経営とお客様満足の両立について理解をしてもらえるように頑張らなければいけないんですよね…。
(ちなみに「そんなにお金儲けが嫌なら、あなたは無給で働いてくれますか?」と聞くと、
大抵の場合は「それとこれとは違います!」みたいな感じで逆ギレされます(笑))
正直言いますと、この作業。すごく大変です。
ベテラン講師の方は、お客様の声は自分が一番知っていると思っています。
さらに経営陣は現場の危機感について何も知らないと思っています。
(自分は経営のことは何も知らないくせに)
つまり、経営陣よりも自分の方が「上」だと思っているわけです。
そんな人に対して、経営者の考えというものを理解してもらうという作業は非常に困難を極めます。
往々にして議論は平行線になりやすい。
青臭い理想論を掲げるビジネスレベルの低い方との会話ってツライんですよね~。
かくいう私も、時には、
「経営を勉強してから出直して来い!!!!(怒)( ゚Д゚)」
って言いたくなりますからね(笑)
こちらの気持ちも知らずに何を言っているんだ!と…。
まあ、そんなわけで、スクール経営においては、
講師のビジネス教育や先生病予防ってのが非常に重要ということです。
放置して講師のプライドが肥大化して、
最終的に会社とぶつかるようになってしまう前にです。
先手先手が大切ですね。
あと、これをお読みの従業員の皆様は、
「自分の中での真実」だけを絶対正義にするだけでなく、
経営という世界における、ビジネスという世界における、
様々な事情があるってことを想像できるようになって欲しいと思います。
経営者の方は孤独に、会社を守るために、みんなの雇用を守るために、
一般従業員とは全く別の視座で物事を見ているケースが多いですからね。
…ちなみに余談ですが、私に自社の状況について相談してくるスタッフさんの場合、
「私は今の会社のこういうところが問題だと思うんです!」
と、一方的に会社の問題点を言っている子はまだまだ視野が狭いです。
ビジネスレベル1って感じ。
正しい相談の仕方は、自分が経営という世界の視座を持っていないことを理解しているから、
「私は今の会社のこういうところが問題だと思うのですけど、間違っていますかね?」
と疑問系で聞いてきます。
より高い視座では、何か別の論理が働いているのか?と想像できているわけです。
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