先日からこのブログでは中国における学習塾規制について取り上げています。
その後、色々な情報を集約して見えてくることとしては、今回の学習塾規制は一般的に取り上げられている
少子化対策のための
保護者・子どもの負担の軽減
格差の是正
という目的だけではなく、オンライン授業や教育産業の急成長に伴って変化していた
外資の教育分野への食い込み
を抑止するという狙いもあるようです。
教育分野というのは、国民の価値観形成において非常に重要な意味を持つ領域ですが、
これまで中国においてはこの分野における規制や縛りが少ない印象でした。
(ご存知の方が多いように、IT関連では中国は様々な規制があります)
普通に外資系の教育機関や教材が、時間外教育のコンテンツとして使用可能な状況でした。
当然、教材の中身においては、国にとって好ましくない価値観や思想が含まれるものもあるはずですが、
そのあたりもフリーパスだった印象です。
そういう意味では、今回の規制などは、本来の中国のあるべき形になってきた…という見方もできるかと思います。
一方で、規制された中国の学習塾や教育産業は、規制に従う方向を打ち出しつつも、
水面下では色々な新たな業態が生まれつつあるようです。
・「子ども向け」が禁止であるため、「保護者向け」としての教育事業へ
・「塾・外国語」などの学科類が禁止である一方、スポーツなどの非学科類は別の扱いであるため、そちらにシフト
・集団指導の学習塾や学校の教師の私塾が禁止であるため、教師以外の講師による家庭教師へ
などなど、様々な「抜け道」といえるような事業が展開されつつあるようです。
実際に、海外への留学や外資系企業への就職を考える保護者にとっては、
国の規制と、世界水準の教育とは別問題なので、どうやって我が子に高い水準の教育を受けさせるかを考えるようになるのは必然の流れかと思います。
このあたりは規制とのいたちごっこになるのかもしれませんね。
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