とりあえず2007年も今日で終わりということなので、
1年をスクール業界の視点から振り返ってみたいと思います。
今年の漢字の「偽」ではないですけど、
今年は本当に「偽」の経営をしているスクールが大きくダメージを受けた1年の印象です。
資格スクール関連の好景気による不況がそれに拍車をかけた感じ。
もちろん筆頭はNOVAなわけですけど、
それ以外の業界・企業においても、軒並み顧客や社員を置き去りにしているスクールは、
非常に経営が厳しかったように感じます。
一方で、例え実体がついていってなかったとしても、
経営者や経営幹部陣の意識が「良いスクールづくり」「本当の顧客満足」を向いているスクールの場合は、
比較的無難に経営できていたような…。
これを単なる各企業の問題とかと考えることもできますが、私としてはちょっと認識が違います。
時代は、私達スクール経営に関わる人間が想像している以上に、
ネットの普及により水面下の口コミが大きな影響力を持つ時代になったということではないかと思うのです。
そう考えなければ辻褄があわないのです。
こんな状況が想像されます。
スクール業界は月間数名から数十名の入会者や来校者が増えるかどうかが正念場になりますよね?
この「数名から数十名」というのが結構重要な気がします。
つまり「月10名」と設定すると年間120名。
この程度の見込み客の人数というのは、
ブログ読者やミクシィのコミュニティ人数で考えると、非常に少数な印象なんですよね。
だってブログとかは読者100~1000とか当たり前ですもんね。
しかも特定分野に興味を持った人々の集まりです。
そういった特殊な集団の集まりが、ブログなどの情報共有の場で情報交換をしている。
スクールの在籍生や卒業生は、何らかのコミュニティを形成していた可能性がある。
そのコミュニティは自社のスクールに関連する分野や見込み客が集まる広場なわけです。
在籍生や卒業生がそのコミュニティの中でスクールの状況についてレポートをする。
それを本来自社の見込み客になるはずだった人達が、広告以上に精度の高い情報として知る。
結果、表面的な広告では一切わからなかったような、
本質的な「スクールの思想」までもが見込み客の集団に伝わってしまう。
(スクールの内部体制を見ていれば、そのスクールが金儲け主義かどうかなんてわかりますしね)
つまり、私達が想像できないほど、内部スタッフや在籍生、卒業生による、
見込み客集団に対してのネット上の情報共有が進化しているのではないかなと思うわけです。
もっとわかりやすい例を出してみれば、私のこのブログで話を進めてみましょう。
このブログはスクールの経営者・経営幹部層、つまり広告宣伝を担当している方が多数みていらっしゃいます。
その数は実数としては300名くらいかもしれませんが、
その周辺の人間関係(リアル口コミ)も加味すると、想像以上の人数になる可能性がありますよね。
しかも「スクール経営の広告担当者」という極めてコアなカテゴリになるわけです。
そんなコミュニティを持つ私のブログで
「R社の新しい媒体は全く反響がなくて使えませ~ん」
「広報担当者の態度が横柄で企業体質に問題があるように感じました」
なんて発言をしたらどうでしょう?
閲覧人数は少ないものの、特定の分野に特化したコミュニティなので、
その広告業者にとっては首都圏のスクール100社程度に対して、
営業マンの情報以上に精度が高い(と感じ)ネガティブ情報を伝えられてしまうわけです。
1社数十万の広告を取ろうと考える広告業者にとっては、
100社の見込み客がマイナス意識に転じるというのは大ダメージです。
契約率が10%だったとしても数百万円の悪い影響が、たかがこんなブログで起こる可能性があります。
これと似たような現象がスクール業界で起こっているのでは?
そんな風に思うわけです。
これは単なるマーケティングや世間の時流などだけでは読み取れない変化です。
しかし、私のように月間数十社以上のお付き合い先の業績の状況を見れる立場ですと、
このような水面下の流れを感じるのです。(信じる信じないはお任せしますが)
だって、似たようなマーケティング手法や市場環境だったとしても、
経営者の意識や社風が消費者の方を向いていなければ、どの会社でも業績がほとんど落ち込み。
意識が消費者の方を向いていれば、どんなに業界環境が悪かろうと、業績はまあまあ。
こんな傾向がハッキリ表れているのですから…。
長くなりましたが、この1年業界を見ていて、こんな時代になっていると感じました。
消費者のことを考えている「本物」のスクールがいよいよ報われやすい時代になってきたのかなと。
また偽のスクールは没落しやすい時代ってことですね。
つまり企業にとっては、より経営モラルが問われる時代になっているといえます。
今までは外部向けのプロモーション活動やブランディングが重要な時代でしたが、
今後は内部向けのブランディング=インナーブランディングが経営に大きな影響を与える可能性が高い時代になると思われます。
そんなわけで、来年は「インナーブランディング」によって業績を上げることが大切になると思われます。
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