4月。
たくさんの新入社員の方々が企業に入社してきます。
船井総研でもそうですし、お付き合い先の会社でも新入社員が入ってきます。
当然、新入社員研修を行う機会も多くなるわけですが、私が新入社員研修で大切だと思っているポイントがひとつあります。
それは、
「働くこと、仕事をすることの意味を伝えて考えさせること」
「労働をして報酬(給与)をもらうことの意味を考えさせること」
です。
数年後はまた変化するでしょうが、最近の20代の子達は、比較的裕福な家庭で育った子が多く、「お金による生活苦」を実感していない子が多い傾向にあります。
本来、仕事というものは、
「生きるために働く」→「せっかく働くのであれば『楽しめる』ように働く工夫をする」
といったステップ、つまり「生活費を稼ぐために」「お金を稼ぐために」働くという感覚が根本になければいけないわけですが、上述したような生活苦を感じたことない子たちには、この根っこの部分の実感がなかったりするわけですね。
自分の生活費がどれくらいかかるのか?
家族3人を自分で養うためには、年収いくらくらい必要なのか?
こんなことを即答できる学生はいないわけです(結婚して子供を一人生んで初めて気づくことが多い)。
昔あるお付き合い先の若手社員が「辞める」といったときに下記のような発言をしていました。
「僕はお金が欲しいわけではないんです。自分のやりたいことをやって、後悔しないような人生をおくりたいんです。今の仕事は『やりたいこと』ができなくなりつつあって、だんだんお金のために働いているように思うのです。彼女も僕がやりたいことをやるのを応援してくれています、たとえ貧しくったっていいと言ってくれます。だから辞めます」
生活の実感のない若者の考え方ってのは、こんなものなのかと思いました。「今」しか見えていない。
この発言を10年後、子供が中学・高校になっても言えたらたいしたもんです。
自分の子供が「お金がない」というだけで、やりたいことや好きなこともできない、そんな環境においやって、親として幸せなのかなと思いましたが…。
「生きるため」という前提がないまま働き始めると、ある意味「やりがい」であるとか「生きがい」などの自己の精神的満足を優先する環境を重視してしまい、結果、ツライことや困難があると逃げてしまうケースがあったりするわけです。
「逃げる理由」を装飾する材料はいくらでもありますから。
もちろんウチの若手のA倉のように、どんな困難でも「やりがい」や「生きがい」を見つけようとする若い子もたくさんいます…。
そんなわけで私はまず社会人になった子達に、
自分の人生について、お金について、徹底的に教育します。
そのベースを伝えてこそ、根っこのモチベーションが固まるからです。
スキル教育や精神論も大切ですが、もっと根本の部分も大切だと思う今日この頃です。
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