学習塾業界や予備校業界、専門学校業界で使われる、自校の実績を表すための「率」という表現。合格率や就職率などの%で表現するアレです。
またそれと同時に「●●高校●名合格!」という実数をもとにデータを出しているケースもあります。
これらの表示を見ると、一見「ああ、合格率90%すごいなあ」「●●大学に●名も合格させているのだからすごいんだなあ」と思ってしまいますが、この二つの数値はそのまま信じていいものではありません。
まず「率」の問題ですが、こちらはパーセンテージを算出するときの母数で数字をいじれます。
例えば高校受験で難関高校があったときに、その対策クラスが40名いたとしても、合格できそうにない生徒の数を「記念受験」という枠に設定して、合格しそうな子達だけを母数として計算するケースがあります。またヒドイ時には受験自体を強制的に止めるケースもあります。
対策クラスが40名として20名合格したとすると、そのクラスの合格率は「50%」ですが、20名のウチ大部分を受験させなかったりしたら、母数を25名にしてウチ20名合格で合格率「80%」として表示したりできるわけです。
大卒の就職率もこのトリックがよくあります。「在籍者数」ではなく、「就職希望者数」を母数に計算して就職率を算出したりするのですね。
また、一方で「合格者数」という実数表示も、やはりその塾に通う母数自体の問題がつきまといます。大手塾で50名希望して10名合格と、中小塾で5名希望して5名合格、この場合、大手塾が一概に教務力が高いということにはならないのです。むしろ、人数が多すぎてフォローが行き届かないという解釈もできるわけです。
別に学校や塾側が嘘をついているわけではありませんが、数字の裏にひそむ仕掛けには注意した方がよいかもしれません。「率」と「合格者数」、このバランスと経営実態をクチコミなどで把握してから、塾は決めた方がよいでしょうね。
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