昨日のコンサルティング先の企業様では、ここから半年の中途採用と来年の新卒採用によって、社員数が2倍近くになります。
業績好調であり、ビジネスモデルも磐石である企業においては、スタッフ数がボトルネックになっているため、この人員増の経営判断は非常に正しい選択といえます。
こうした組織の拡大の際には、多くの場合、「人材の成長と即戦力化」「離職率の低下」に焦点がおかれやすいのですが、実は多くの企業の急成長の現場にいる立場からすると、もうひとつ最大に意識をおかなければならないのが「価値観の管理」=「リスク管理」だということがわかります。
この価値観の管理というのは、文字どおり企業における「当たり前」「常識」の価値観、感覚を共有化し続けること。もっとわかりやすく言えば、「何をやるべきで」「何をやってはいけないのか」をしっかりと社員全員が共有し続けることになります。
社員数が少ないときは、組織内のコミュニケーションも密ですし、必然的に近い価値観の人間同士が集まりますので、この価値観の共有は自然と行われることが多いのですが、
組織が大きくなる過程では、どうしても「異質な価値観を持つ」人間が入社しやすく、また今まで自然に「当たり前」が形成されていた分、その当たり前を教育することを忘れてしまうため、間違った価値観、「当たり前」で行動してしまう人間が増えてしまうのです。
例えば、
「スタッフが女性顧客にプライベートな声かけをしていいか、連絡先の交換をしていいか?」
という問題。
これを読んでいる皆さんにとっては「当たり前」で「ダメに決まっている」ことがわかると思いますが、世の中には平気で、「条件が整っていれば大丈夫(例:休憩時間中に話していた、あちからか聞いてきたなど)」と答える人間がいるということです。
上記の質問などはわかりやすい方ですが、さらにグレーな難しい問題になると、
「男の先生が女の子の生徒の肩に手をかけていいか?」
「夜21時を過ぎて保護者の家に電話をかけていいか?」
「おススメの生命保険の会社を同僚や部下にすすめていいか?」
「プライベートの時間に自社の最寄のパチンコ店に出入りしていいか?」
「休憩時間中にタバコを吸って、生徒の前に匂いが着いた服で出てきていいか?」
など、色々なパターンがあります。
こうした内容は当たり前であり、誰でもわかると思ってしまっているがゆえに、マニュアルやルールに入っていなかったりします。
しかし、その当たり前が通用しない人間も世の中には多数いるわけですから、企業内の価値観・当たり前の共有をしなければいけないのです。
上記の例などは、一歩間違えば「セクハラ」「先生が生徒を口説いた、ストーカー被害届」などの、自社にとって大きな危機に直結するものもあります。
だからこそ、当たり前の共有は危機管理・防止にもなるのです。
ご注意ください。
来年からSBレポートでもこの内容に関して連載を用意したいと思っています。
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