産業革命前夜、イギリスで牧畜が盛んになり、人が追い出されたことを指して、トマスモアは
「羊が人を食う」
と描写し、またその追い出された人が労働力となって産業革命を支えたわけですが、
今代ゼミ騒動で話題になっている予備校(大学受験)業界は、実は「映像授業(機械)が人を食う」という状況になっています。
代ゼミ騒動で業界外の人が適当なコメントを残している中で、東進衛生予備校などの映像授業化の流れに代ゼミは対応できなかったといわれていますが、実は代ゼミも河合塾も映像授業への対応は進めています。(お金の使い方や戦略の絞込みに差がありますが)
代々木は「代ゼミサテライン予備校」、河合塾は「河合塾マナビス」ですね。
つまり、代ゼミはもう既に映像授業を持っているため、映像化の流れをより加速するために大型の校舎が必要なくなった。
ただ、それだけのことなのです。
あくまで大型校舎が必要なのは、大人数を一箇所にあつめる「生授業」の形式のみですからね。
予備校業界においては、上述したように「映像授業化」がドンドン進行しています。
(小・中においてはあまり進化しませんが、その理由は別の機会に)
それに伴って、これまで大学受験塾で行われてきたのが、大学受験講師のリストラです。
映像授業で首都圏のトップクラスの講師の授業が聞けるのであれば、人件費がかかり、講師の安定供給も保証できない生授業講師はいらない!ということですね。
今回の代ゼミ騒動でも早期退職を募集しているので叩かれてますが、実は代ゼミは他塾に比べると、まだ講師の雇用を長くまもっていたともいえます。(多くの学習塾が、映像化する中で講師のリストラを過去行ってきたのですから)
別に代ゼミさんを弁護する義理もなにもないのですが、今回の報道に関しては、業界の事情を知らない人が勝手に物事を言いすぎ・・・と思うのです…。
つくづく、広報戦略って重要だと思う次第です。
少子化で市場が縮小する中で、ローコストの経営スタイルにシフトする。
そのためにも大型の校舎を地価が高いうちに売却する。これって非常に正しい戦略だと思いませんか?
むしろ、少し遅かったことや広報の誤解をとく努力不足がもったいないと思います。
あと、代ゼミさん・・・ホームページ微妙すぎますよね・・・。こういった点でもちょっと時代遅れ感があります。
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