代々木ゼミナールの校舎閉鎖問題については、これまでいくつか書いていましたので、下記にざっとまとめます。
1.校舎閉鎖は正しい戦略、もともと昭和型の人口をイメージしていた多拠点の大規模教室は時代にミスマッチだった
2.今後の予備校業界の映像授業化の流れの中で、大型校舎、教室、生授業講師は必要なくなるのは当然
3.リストラについても要するに「各地の生授業の講師」を整理するということ。一流どころは旗艦校舎&映像授業要因で維持
4.昔の代ゼミの「成績中下位層」ターゲット、浪人生に強い、文系に強い、などは時代としてはマイナスにふれた
5.今回は経営戦略的には問題ないが広報の仕方が問題だった
6.少子化といっても東進などは伸びているので、要するにやり方の問題。代ゼミも本格的にシフトしたということ(後手ですが)
上記のような感じです。
代ゼミはグループ参加に首都圏で実績のあるSAPIXがありますので、そちらとの連携を考えれば、地方拠点を閉鎖する、首都圏の成績上位層に特化するのもよい選択でしょう。
ところで、予備校業界における「現役合格シフト」「成績中下位層ターゲットの学校の苦境」は、そのまま今後は高校受験などの塾業界にも当てはまります。
つまり、全国各地で起きていることですが、地方部において特に努力しなくても地域内の普通の高校に入れるような状況であれば、わざわざ高額な塾費用を払って、塾通いをさせる必要がないわけです。
これまで業界を牽引してきた、個別指導塾モデルは、中には進学個別のモデルもありますが、多くのものは成績中下位層をターゲットにした補習塾モデルです。しかも、個別指導であるがゆえに価格帯が比較的高い。このビジネスモデルとしての大きな矛盾を抱えて走り続けています。
価格帯のシフトやターゲットのシフトなど、各社各地域にあわせた進化をしなければ、10年後には個別指導塾業界にも大きな淘汰の波が訪れることは間違いありません。
現状、需給バランスがミスマッチで拠点数が増えすぎてしまっているのは、「大学・短大」「個別指導塾」です。
この2業態については、世間を騒がすほどの変化が将来おきてくるでしょうね。
Tweet |