代々木ゼミナールが全国27拠点の内、20拠点を閉鎖するというニュースが出ています。
基本的に少子化や大学全入時代の流れでの、代々木ゼミナールの苦境として報道されていますが、業界関係者からすれば、この戦略は代々木ゼミナールの生き残りのための最良の一手だとわかります(かといって生き残れるかどうかは今後次第ですが)。
キーワードは
予備校業界の映像化
上記に関連する校舎の小規模化
高齢&高給の大学受験講師の整理
になります。
少子化と大学全入=現役合格によって大学受験の予備校市場は急速に縮小していきます。
それ以上に、今予備校業界にとって大きいのは「映像化」=「講師無人化」の流れです。
東進衛生予備校のように映像授業で最高の講師の授業を用意できる以上、各校舎には講師は必要なく、担任と呼ばれる学生のアドバイスやモチベーション管理ができる存在がいればいいわけです。
もちろん生授業のよさはありますが、経営的な非効率を補えるほどのレベルではない。
代々木ゼミナールも代ゼミサテライン予備校というオンライン授業を持っている以上、むしろなぜ今まで大規模な校舎運営をここまで継続していたのかの方が疑問なわけです。
今後は閉鎖校舎の代わりに小規模校舎を多数運営し、オンライン授業中心の運営にしていく。ただそれだけのことですね。
このように代々木ゼミナールの今回の戦略は非常に正しい。むしろ少し遅いのが問題というだけなのです。
しかし、このように報道されてしまった最大の原因は、「20拠点まとめて」になってしまった、イコール後手に回っていたというのが最大の失策だったように思います。
毎年1、2校舎を閉鎖し小規模校舎に切り替えていく中では、このような報道はされなかったでしょう。
しかし、なんらかの理由で上記のような手順になってしまい、かえって「代々木ゼミナール凋落」のイメージを定着させてしまったのは、代々木ゼミナール自身にとっても、代ゼミサテライン予備校加盟企業にとってもマイナスでした。
つくづく撤退戦のタイミングと打ち出し方は重要だと学ばされた次第です。
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